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月と六ペンス サマセット・モーム

学生時代、この1冊を読んでモームにハマったのだ。

タイトルが美しいと思ったんだ。

月と六ペンス

始まって40Pくらいは前置きというか、長口上な様子で正直読むのが苦痛。

しかし、話が動き始めるとグッと引き込まれる。



裏表紙のあらすじが秀逸なので引用



「平凡な中年の株屋ストリックランドは、妻子を捨ててパリへ出、芸術的創作欲のために友人の愛妻を奪ったあげく、女を自殺させ、タヒチに逃げる。ここで彼は土地の女と同棲し、宿病と戦いながら人間の魂の根底からゆすぶる壮麗な大壁画を完成させたのち、火を放つ。ゴーギャンの伝記に暗示を得て、芸術にとりつかれた天才の苦悩を描き、人間の通俗性の奥にある不可解性を追求した力作」



ストーリーはまさにコレ↑で全部。

主人公である「僕」の目線での回顧録で話は進む。

一人称視点であるがゆえ、起きた事件も人の内面も、ある一側面でしかなく、

他の登場人物の行いが突飛でついていけない(主人公もついていけない)ことも。



おかげでとかく断片的で、

物語を理解しようと落ち葉を拾うようにエピソードを集め、登場人物の人格を構築しようとする。

そこで現れてくるのが、

僕が反発し嫌悪しつつも、抗えないストリックランドの粗暴さ、ストリックランド自信の懊悩。



他の登場人物はあくまでも添え物ゆえ、潔いまでに情報量が欠けているために、

余計にストリックランドだけが1個人として鮮烈に見えてくる。

見えてくるのに、理解した、理解できるとは思えないほどの妙。

謎がとけないまま事件が閉じるような、あいまいなしこり。



これは構成(魅せ方)の妙だなー。



最後、

残された妻(株屋のころ)と僕とのやり取りが大変に通俗的。

これは短編集Ⅱの「エドワード・バーナードの転落」を思い出した。



モームはおもしろいな!




サマセット・モーム 『月と六ペンス』 新潮文庫


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お菓子と麦酒 サマセット・モーム

モームの代表的作品、と裏表紙にある長編。

お菓子と麦酒


キャラクターが、特にロウジーの奔放な性格がいっそ気持ちよくほど小気味良く描かれている。

解説で「ストーリーテラーとしての面目躍如」と書かれるほど、良く出来てるなーと思う1作。

いや、面白いを通り越して感心してしまうのは、モームはこの1作だけではないのだが。



が、

登場人物の「ドリッフィールド」と「トラッフォード」がどーしてもどーしても一緒になって混乱してしまう。

ともに作中でかなりの重要人物なので、この二人を間違えるのは致命的なのだが、

何度も間違えた。

何度も数ページ前、酷いことに終盤に入ってから始めの数ページを読み直すくらいのこともした。



そんなわけでこの本の面白さを、私はだいぶ損していると思う。。

もったいないが、

これでも再読なんだぜ・・・。




日本モーム協会 とかいうのがあるらしい

「○○を読む」とか講演会が面白そうだが、会員以外も参加できるのかいな・・・




サマセット・モーム 『お菓子と麦酒』 新潮文庫

手紙・環境の力 モーム短編集Ⅲ サマセット・モーム

短編集Ⅰ 、Ⅱ 、とまた違って田中西二郎氏の翻訳

手紙・環境の力_モーム短編集3

古本屋で購入。そのため初版昭和36年、改定なしの昭和53年の20刷。

「シンガポオル」、「テエブル」、「ハネムウン」はまだいい、

人名の「ロバアト・クロスビイ」だって慣れだ。

でも、「ピジャマ」は分からなくて、読み止ったわ…。「パジャマ」のことだった・・・。



「面皰」でにきび、ですね。そうですね。



そんな訳で久々に日本語の洗礼を受けた。




収録3作品は南海モノだけではないが、面白く読めた1作は南海が舞台の「環境の力」

これ、女の人に読ませたら、怒り出す人もいるのではなかろうか・・・

不誠実、不潔、とか言われそうだ。

環境の力に屈した、男の悲哀と性(さが)が、孤独に耐えられぬ男が、とても目をひくのだが。

読後感の不快さと切なさのバランスが丁度良いのだ。



ようするに海外駐在員の現地妻モノだが、(卑猥な様子)

あらがえない本能を読む1作。



本冊、廃刊らしいが信じられない・・・。

捨てられないじゃない・・・。




サマセット・モーム 『手紙・環境の力 モーム短編集Ⅲ』 新潮文庫

太平洋 モーム短編集Ⅱ サマセット・モーム

モームの「南海もの」短編集

短編集Ⅰ の訳者は中野好夫氏に対し、こちらは河野一郎氏。

中野氏の方が訳が好きだな・・・

太平洋_モーム短編集2


200Pにみたない薄い文庫に4編収録。

表題作の「太平洋」は1Pと2行、というプロローグ作品だが、読み手(読者)を現実から

いっきに南へと引きずり込む力強さがあって、秀逸。



まぁ、昭和の訳なので、読み辛いことは読み辛いが、古い本も読むような

読書慣れしている人なら大丈夫かと。

味だよ、味。



全体を通して南の島、という特有の環境、風土、風俗になじめない白人たちの苦悶の物語、か。

決然と出自の性格を守り、尊厳(良い悪いは別にして)を守る人と、

南の島での風俗に慣れ、(良い悪いではなく)文化的視線で見ると堕落と思える生活をおくる人。



戦いや葛藤、というよりも、もはや永遠に混じることのない平行線のような。



読んでいると、南の島に対する憧憬が消し飛ぶ

南は怖いところだ・・・



「マッキンットシ」(トッシュ、ではない)はうまくいえないが、

その平行線の悲劇が素晴らしいです。

文章力ってすげーなぁ。



高橋源一郎 氏が「小説志望者はカードを読め」を言ったが、「モームも読め」と言いたい。
※ カード




サマセット・モーム 『太平洋 モーム短編集Ⅱ』 新潮文庫

雨・赤毛 モーム短編集Ⅰ サマセット・モーム

イギリスの本物のスパイ、そしてイギリスの通俗作家、サマセット・モーム の 「南海モノ」

なぜかアメリカの作家だと長いこと勘違いしていた

雨・赤毛_モーム短編集1

学生(中学か高校)の頃にハマった作家

通俗作家とはいえ、ストーリーテラーとも呼ばれる話運びのウマさが良かったのかな。



今読んでも、表題作「雨」なんてうまいなーと思う。

ストーリー自体はとてもシンプルでオチも特筆するようなものではないので、

単純に筆運びのうまさだけでひきこまれる。文章力(表現力)ってこういうことか。

翻訳もうまいんだろうな。



全体的にシニカルでペシミズムな雰囲気も良い。

南海、南の島という舞台が、人々の開放性や包容性ではなく、

逆に閉鎖性や疑念、理性と本能、建前と本音がコントラストを豊かに浮かび上がらせている。



南の島 = 天国 みたいな図式は好きじゃないので。



単純に面白いので、あまり感想がでてこないな。

非常に読みやすいし、お勧めの1冊。



サマセット・モーム 『雨・赤毛 モーム短編集Ⅰ』 新潮文庫
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書いている人:せんちょう
こんな僻地にようこそです。

ここはチラシの裏。
英語読解は好きの気持ちだけで誤訳誤解ドント来い。
TF はお笑い方向に感想備忘録。

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2011年01月の記事
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